下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)について

大腸内視鏡のイメージ写真

先端に小型撮像素子が付いている内視鏡を肛門から挿入し、小さなカメラで直腸から盲腸までの炎症、ポリープ、腫瘍、がんなどの病変を調べる検査です。
他の検査では識別困難だった大腸内の色調変化や粘膜面の変化を画像にて把握することが出来るため、一般的に広く行われています。

大腸疾患の罹患率は40歳を超えるころから徐々に高まっていきます。
特に、60歳を超えるころから生存率が急速に悪化していきますので、出来るだけ早い時期から下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)を受けられるようお勧めいたします。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)を受けた方がよい方

  • 便秘や下痢の状態が続いている(普通の便と下痢などが繰り返される)
  • 血便が見られた
  • 腹痛や腹部膨満感が続いている
  • 貧血を指摘されたことがある
  • 顔色が悪いと言われる
  • 急激に体重が減少した
  • 便潜血検査で陽性となった
  • 大腸ポリープや大腸がんの治療をした経験がある
  • 血縁に大腸がんの人がいる など

大腸カメラを受ける際の注意点

検査前日

  • 夕食は午後8時ごろまでに済ませてください(消化の悪いものは控えてください)。
  • 特に、繊維質の多い食品(ひじき、わかめ、こんにゃく、キノコ類など)、種子の多い食品(イチゴ、キウイなど)は検査2日前から控えるようにして下さい。
  • お早めに就寝し、体調を整えるようにして下さい。

検査当日

  • 検査が終わるまでは食事禁止です。少量の飲水は可能です。
  • 朝や昼分の内服は薬によっては中止になります。医師にご相談ください。
  • タバコは吸わないでください。
  • 検査後は自動車やバイク、自転車の運転は出来ません(鎮静剤使用した場合のみ)。

大腸カメラ検査の流れ

1. 下剤を飲みます
大腸をきれいにするため、約2リットルの下剤を数回に分けてのみます。(下剤に関しては、種類がありますので、お気軽にご相談ください。)
※前日から下剤を飲むことがあります。
2. 鎮静剤を投与(静脈注射)することもあります
ご希望の方には鎮痛剤を静脈注射します。
外科手術に一般的に用いられる麻酔のように強力なものではなく、医師などからの呼びかけに反応することも出来ます。
3. 肛門から内視鏡を挿入します
まず左側を下にしてベッドに横になります。その体勢で肛門から内視鏡を挿入していきます。
4. 大腸の内部を観察します
内視鏡カメラの映像はモニターに映し出されます。担当医は、この映像を見ながら大腸の内部を隅々まで観察します。
必要がある場合は、生検(大腸の粘膜からごく小さな組織片を摘出すること)を行います。
5. おおよそ15分~20分程度で終了します
症例によって時間が前後することがあります。
6. 検査後
  • 通常、飲食は1時間後から可能です。
  • 検査当日のお風呂はシャワー程度にしてください。
  • 自転車、バイク、車の運転は禁止です(鎮静剤使用した場合のみ禁止です。)
  • 強度の運動は避けてください。
  • 検査終了後、気になる症状がある方は、すぐに医師までご相談ください。